告白
自転車の後ろに横座りして、幸治くんの大きな背中に頬をつけ、お腹に手をまわしてつかまる。


絶対私重いはずなのに、自転車は軽く進んでいく。


幸治くんすごい。


夕暮れの町を、私を乗せた自転車は進んでいく。


私のうちまで、30分ぐらい。


30分もこんなにくっついていられるなんて。


ふふ…。


なんかニヤニヤしちゃうかも。


幸治くんに顔見られなくてよかった。


しかし、さっきは恥ずかしかったな。


一人で期待して目をつぶって。


それで頬にキスって、恥ずかしい。


幸治くんに、呆れられたらと思ったけど


ダボダボな上着。


指先があまっている手袋。

私を気づかって用意してくれた物。


すごく温かい。


幸治くんの愛情を感じる。

うん、私、呆れられてない。


て、言うか、好かれてる。

へへ……、幸治くんは私が好き。


あー、ニヤニヤが止まらない。








もうすぐ着いちゃう。


もっとゆっくり時間が過ぎればいいのに。


自転車がすごく早く感じる。


スイスイ進んでたなー。


スイスイ?


あれ?


私道案内してないよ?
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