告白
うちのリビングに、幸治くんが座ってる。


不思議な光景。


今日の朝まで、思いもよらない光景。




「奈津美、帰ったのか?」


階段からおりてくる足音と正兄の声。


うわ、正兄までいるのー。

正兄がリビングへ入と同時ぐらいに、幸治くんがソファーから立つ。


「はじめまして。
奈津美さんとお付き合いさせていただいてます、清水です。」


さきほどと同じ九十度に頭を下げたあいさつ。


何度見ても、かっこいい。

「はい座って、コーヒーどうぞ。」


竜兄がコーヒーを持って来てくれた。


「ありがとうございます。」

ソファーに座り、コーヒーを受け取る幸治くん。


竜兄はコーヒーをわたすと、向かいのソファーに座ろうとしている正兄に微笑む。


「こちら、ストーカーで彼氏の清水くんだって。」


爆弾を落とした竜兄。


「あぁ?」


正兄、顔が怖い。


「ち、違うよ、ストーカーじゃないよ。」


何か言わなきゃと思っても、私もさっき『あとつけた』と言われたばかりで、何もうまい言葉が出ない。


「奈津美、その服なんだ?」


服?


あっ、上着脱いでない。
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