茜ヶ久保マリネの若気の至り
十分に引き付けた海刀神の切っ先を、渾身の力を込めて突き出す!

それは刺突だった。

敵を突き刺し、貫く剣技。

本来ならばある程度間合いが詰まっているか、刺突を放つと同時に突進しなければならない。

が、この海刀神に限っていえばその必要はなかった。

刺突を放つと同時に切っ先から高速で回転する渦が発生して、離れた位置にいるサハギン達全てを巻き込む!

渦の勢いは尋常なものではなかった。

巻き込まれたサハギン達は身を引き裂かれ、体を貫かれ…いずれにせよ原形を留めないまでに肉体を破壊し尽くされる。

まさに海の藻屑。

海中はサハギンの血で染まり、四散したその肉片に、小魚達が群がっていた。

< 16 / 101 >

この作品をシェア

pagetop