茜ヶ久保マリネの若気の至り
だから目の前にいるこの男は、間違いなく『あちら側』の住人であると私は確信する。

残忍なサハギンを従え、天空宮を蹂躙しているのだから。

…私の歩く港町の倉庫街。

その倉庫の鉄扉に背中を預け、腕組みしている男がいた。

まるで私が来るのを待っていたかのようなソイツは、仕立てのよい白のスーツを着こなした金髪の優男。

どこか気品のある立ち居振舞いは、この天空宮がかつて『ウーラニア』と呼ばれていた昔に存在したという天界人を彷彿とさせた。

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