茜ヶ久保マリネの若気の至り
濃密な魔力に、両者の間の空間が歪む。

並の人間ならば、この魔力に当てられただけで体力を消耗し、下手をすれば絶命しかねない。

それ程のリヴァイアサンの魔力を真っ向から受け止めて、私は彼と対峙する。

微かに動く左手。

その左手に、瞬時に黒塗りの鞘に納められた刀が顕現する!

「殺ってやるわよ!リヴァイアサン!」

人魚だから陸では動きが鈍いと考えるのは大きな間違いだ。

魔法によって人間同様の二足を得ている以上、それを自在に使いこなすだけの技術を私は身につけている。

「あんたに殺される前にね!」

一足飛びに間合いを侵略すると同時に、右手で得物を抜刀する。

魔刀・海刀神。

海そのものを武器とする私の水属性魔法は。

「!!」

あと一寸の所で、リヴァイアサンの得物によって受け太刀された。

< 26 / 101 >

この作品をシェア

pagetop