茜ヶ久保マリネの若気の至り
規模こそそれほど大きくはないが、威力を一点に集中させた渦だ。

障壁の効果を持つクラーケンの粘液をも貫通し、その巨体に確実なダメージを与える!

軟体質のブヨブヨしたクラーケンの体。

その肉が削げ落ち、体液が、肉片が、海中に飛び散る!

私の放った刺突は、確実にクラーケンに対して効果を表していた。

が、それも束の間。

「笑止」

クラーケンが私の技を一笑に付す。

直後、刺突で抉られたクラーケンの傷が、見る見るうちに再生していった。

…巨大な海魔人は低く笑う。

「流石は人魚の血肉…早くもこの身に効果を発揮し始めおったわ」

「……!」

迂闊だった。

そういえば、クラーケンは私の肉を一口食い千切っていたのだ。

不老不死の力を得られるという人魚の血肉。

たった一口とはいえ、それはクラーケンに強力な再生能力を与えていたのだ。

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