茜ヶ久保マリネの若気の至り
私の合図で、幾筋ものマグマの柱がクラーケンの巨体に殺到した!

相手は障壁の効果を持つ粘液に包まれ、人魚の血肉を食らった事で強力な再生能力を得た大怪物。

…しかしそれが何だというのか。

今となっては、そんな能力はほんのオマケでしかなかった。

この地球上で誰も克服する事のできない自然の脅威、溶岩。

その真紅の凶器を一身に浴び、クラーケンは海中に悲鳴を轟かせた。

障壁の効果を持つ粘液などたやすく貫通し、肉体を焼き焦がし、融解させ、あまつさえ蒸発させる。

再生能力すら発揮させる暇も与えず、その細胞は完全に焼き尽くされて死滅させられる。

これが地球(ほし)の血潮であるマグマの威力。

どんなに人間や魔物が小細工を弄して、魔法で自然の力を操った所で、その力はほんの一部。

この地球の真の力の前には、最高位に近い海の魔物でさえ、赤子の如く泣き喚く他なかった。

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