ホタル
あたしが煙草を初めて吸ったのは、中学二年の時。当時付き合ってた先輩に薦められて、吸った。
断っておくけど、あたしは今までずっと裕太だけを見てきて純潔を守り通してきたわけじゃない。人並みに付き合ってたし、人並みに色んなこともしてる。先輩も、そのうちの一人だ。
全部裕太の代わりなんでしょって言われると、言い訳できないけど。
「ねぇ、吸い方これであってるの?」
二度目の煙を吐き出した後、裕太はそれを見つめながら呟いた。
「思ってたより煙くない」
あたしは思考を遮断して、自分も煙草に手を伸ばした。
「それじゃ吸えてないよ。それは、ただふかしてるだけ」
ふっと笑い、煙草に火を付けた。
煙を吸い込み、ふぅっと吐き出す。
「奥まで吸わないと」
あたしが煙草を吸う仕草をまるでお手本の様に見つめた裕太は、「わかった」と言い再び煙草をくわえた。
トンッと煙草を灰皿に押し付け、裕太の口元に視線を移す。
肩が揺れたと同時に、「げほっ」と咳き込む裕太。