ホタル
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冗談みたいに爽やかな朝だった。
昨日の雨が嘘のような、濁りのない青空。
姿を見せない鳥がチチッと鳴いたのと同時に、油と卵の触れる音がジュッと響いた。
透明な白身が名前の通り白くなり始めたのを確認して、あたしは手近にあったコップに軽く水を入れる。
それをさっとフライパンに流し入れてから、弾く油の音を蓋で閉じ込めた。
蓋の下で、ジュウジュウと水が踊り出す。
火を弱くしてから、隣の冷蔵庫に手を伸ばしかけて気付いた。
この朝に相応しい満面の笑顔。あたしは随分長い間、この笑顔を裕太に見せてなかった気がする。
「おはよ、裕太」