ホタル
ベッドから起き上がり朝食を作るあたしを見ながら、裕太はまだ半分覚めていない声で「…おはよ」と返した。
昨日の今日。多分、この底抜けに明るい朝に戸惑っているのだ。
「すぐ朝食できるから。顔洗っておいで」
てきぱきと冷蔵庫からペリエとレモンを取り出して、二人分のグラスにつぐ。
切ったレモンを片手で絞り、キッチンの窓で育てているハーブの葉を反対の手で取る。
炭酸水に浮かぶ小さなハーブの葉を見届けた後、裕太はようやく洗面所へと向かった。
洗面所から水音が聞こえてきた頃に、二人分の目玉焼きが綺麗に出来上がった。