ホタル
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裕太と堂々と手を繋いで歩くことにも、もう慣れた。
道行く人は、特にあたし達に目を止めない。
どこにでもいる、普通の恋人同士に見えるから。
何年間、あたしはこの光景を求めていただろう。
「今日は何にする?」
「ペンネがいいな」
「昨日パスタだったじゃん。今日はあたし、魚が食べたい」
「ん~、じゃあ、鯖の味噌煮」
言うと思った。そう言うと裕太は、はにかんだ様に笑った。
再会した時に感じた大人っぽさは、すぐに雲隠れする。
でもやっぱりたまに見せる表情が、とても大人びて見えた。
大人になればなる程、赦されないと思っていたあたし達の関係。
なのに今、こうして二人一緒にいる。
こうして二人、手を繋いでる。