ホタル
「あーもうっ!!買ってくりゃいいんだろ!?」
とうとう観念した修平君は、たった今登ってきた階段を降りるはめになった。
英里の部屋の向かい側にある自分の部屋に、バッシュの結び付けてあるスポーツバッグを放り投げる。
「後で金払えよ!!」
「はいはい」
軽く受け流す英里に多分彼も自分の奢りになることに気付いたのだろう。ぶつぶつ文句を言いながら階段を降りていった。
玄関を出た事を確認し、満足そうに英里はドアを閉める。
「よかったの?修平君部活帰りじゃなかったのかな」
「あーいいのいいの。あいつはあたしに使われるために存在してるようなもんだから」
あははっと何とも自分本意な意見を豪語しながら、英里は元いた場所に座り直した。