双子とあたし。

「ゆ…ゆうと？」






男はゆっくりと微笑んだ。






「―――正解。」







彼が藤間悠斗だとしたら、それは…






怯えながらそれに視線を向ける。


悠斗はわかったのか、あたしに尋ねた。







「…じゃぁ、そこにいるのは誰だと思う？」






「―――ゆ…ゆ、ゆう…た？」




信じたくない自分がいる。



悠斗に「違う」と言ってほしかった。




……なのに、期待は儚くも消え去った。




「―――うん、正解。」





悠斗の気味悪い笑みがあたしに向けられた。




―――喜んでいるように見えた。







あたしは手が震えながらも携帯を取り出す。






「…警察…、いや…、救急…車…呼ばなきゃ…」






震えた指でボタンを押そうとするのを悠斗はあたしの手首を持って拒んだ。






「――…だめだよ。」





その顔は冷静だった。





―――でも、あたしが冷静になれない。







「…な、なんで…？ゆうた、死んじゃうよっ！」






「―――平気だから…。」





―――平気じゃない。





…平気のはずがない。