双子とあたし。
悠斗は不機嫌な顔になる。
「…なに…、俺に抱かれるの、やなの?」
「―――…いやっていうか…。」
あたしは口籠もる。
曖昧な返事をするしかなかった。
「…じゃぁ、いいじゃん。」
そう言ってまた悠斗はあたしに近づいた。
あたしは悠斗が近づこうと一歩進むにつれて、一歩ずつ退いた。
「ゆうと変だよっ!…今日のゆうと…、なんか変だよっ!」
悠斗はあたしに手を伸ばしてきた。
あたしは不意にその手をはじいた。
悠斗ははじかれた手をじっと眺める。
「…俺のこと…、嫌いなの?」
悠斗はまだじっと自分の手を見ている。
―――よっぽど予想外だったのだろうか…
「…嫌いじゃないよっ。でもさ、ゆうただって同じくらい大事なんだよ。」
携帯を持った震えた手に、自分のてをのせる。
―――大丈夫だよ…。
そう自分に言いきかせる。