双子とあたし。
『だからって、幸島さんが付き合っているという確証はないんだろ?』
『そら…、そうなんだけど。』
『だったら俺は、諦めないよ。』
『ま、英介は顔が整ってるから平気だな。』
俺の肩をこれでもか、ってほど強く叩いて高笑いした。
『なんだよ、それ…――――』
――――…なるほどね。
学校の半分が彼を好いている、っていうのは本当みたいだ。
でもきっと、彼は一人の女性しか眼中にないだろう。
その人は、今俺の隣にいる。
「悠太っ!頑張れ!」
試合開始のホイッスルが鳴った。
辺りを見渡すと、ギャラリーはほぼ女子。
見渡すたびにきゃー、という声を聞く。
悠太君はファインプレーを頻発している。
――――やっぱり上手いんだ。