双子とあたし。
「そういえば、ドッキリの悠斗の演技すごかったなぁ…」
目を閉じて思い出す…――。
最初に浮かんだのは
―――恐怖…――
だった。
あたしはびくりと肩を震わせた。
そんなあたしを悠斗は真顔で覗き込む。
「大丈夫?」
その顔には笑みがなく、本当に心配しているらしかった。
「うん…、なんかいつものゆうとじゃなかったからさ…。」
悠斗はああ、と言って前を向いた。
「悠太から、白熱の演技でしろって言われてたから…。」
「いや、白熱よりめっちゃ冷めてたよ。声…。」
「んー。」
悠斗はこれ以上話さないつもりだった。
――――じゃ、嘘…なのかな…
あの告白は…嘘なのかな…。
―――ほっとしている自分もいたが、残念がっている自分がいることに驚いた。