双子とあたし。
悠太は手を離し、立ち上がった。
「?、ゆうた…?」
ふっとこちらに振り返った…
それは、
悲しみに浸りながらも微笑む顔。
あたしはその姿に目を奪われる…――。
「俺はさ、悠斗と薫がいれば、他は何もいらないから…」
“離れたくない”思いが募った顔。
「何も…、いらないから…」
念押すように悠太は呟く。
あたしと悠斗は顔を見合わせた。
そして、吹き出すようにふっと笑う。
「ゆうたさぁ、今さら何言ってんの?」
「…そうだよ、悠太らしくないね。」
そうしてあたしは悠太に近づいて、彼の手をとった。
「あたしもさ…、ずっと二人の傍にいたいよ。―――…ずっと…、ね?」
あたしに続いて悠斗も悠太の後ろに回り、彼の肩をぽんぽんと叩いた。
「…同じ…だから…。俺らは別々の道を歩くわけじゃないから。」
あたしたちの言葉にただ、悠太は噛み締めるように何度も深く頷くだけだった。