双子とあたし。
「…わかったよ。」
あたしは折れて箸で適当に柳田君のお弁当から取り出した。
―――玉子焼き。
…鮮やかだな
なんて呑気なことを思いながら玉子焼きを落とさないように左手を添えて、柳田君に差し出した。
あたしと柳田君の距離はおもいのほか遠くて、身を乗り出さないと届かない。
「はい…」
―――…誰も、ほんとにいないよね?
柳田君を直視できないから、あえて周りを見るふりをする。
あたしは頑張って身を乗り出しているのに、柳田君はそれすらない…。
――――あたしの手、限界なんだけどっ!
限界の印に手先が震えている。
やっと柳田君が口を開けたと思ったら…―――