【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
榎本さんに『ありがとう』再度お礼を述べて、ドアを閉める。
ゆっくりと発進した真っ赤なスポーツカーを見送って『行こう?』翔を促して店内へと入った。
「仁菜と翔じゃん」
受付を済まして、入ればすぐに聞こえた声は涼のもの。
涼は暇なのかなんなのか、カウンターの椅子に座って一人お酒を煽っていた。
…仕事しなよ。
そんな呆れ顔に気付いたのか涼は「今休憩中〜」言って、グラスに入っていたワインを一気に飲み干した。
翔は涼の隣に座って、何やら話出したから私もその隣に座って、メニューを眺めていた。
いつの間にか仲良くなったらしい翔と涼。
きっと私がいない時も翔はここに来ているのだろう。
そんな事を考え、目の前の店員にいつものカクテルを2つと、オススメを適当にとオーダーを済ませた。