【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「あいつは…まぁ俺の嫌いなタイプだな」
前のお前以上にと付け加えた榎本さんに『そうですか』言っておいた。
「親が事務所の社長で、そのコネで芸能界入ったいわば七光り。やりたい放題。自分の思い通りにいかないと機嫌が悪くなる」
ほらお前なんか可愛いもんだろ?とか言って乾いた笑みを漏らす榎本さんは、笑顔が怖い。
杏里ちゃんの事をここまで知る彼は、以前彼女と何かあったのだろうか?
そんないらぬ考えに至ったのだけれど、榎本さんは基本的に不真面目な人が嫌いだからだ、という事にしておこうと思う。
「ま、翔取られねぇ様に気をつけろよ」
しばらく無言だった私を不審に思ったのか、コチラに視線を向けた榎本さんはいらぬお節介を焼いていた。
『…大丈夫』
そう呟いたと同時に着いた学校。
「12時に迎え行く」
傘を差して車を降りた時言った榎本さんに、小さく頷いてドアを閉めた。