【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
傘を差して門を潜れば、いつも以上に人が閑散としている様に感じる。
それは、雨が降っているからなのかも知れない。
雨に濡れた地面を歩いて、今日は大人しく授業を受けようと思いながら歩けば、いつものごとくちひろがやって来た。
ちひろとは今年も同じクラス。
まぁクラス替えがないからなんだけど。
流石に雨の日はタックルして来ないらしい。
「仁菜おっはようー」
『おはよう』
「ねっ!今日は何限までいるのぉっ!?」
『…お昼までだよ』
「そっか!私も今日はお昼までなんだっ!2時間ドラマの撮影があるんだぁっ!」
『そっか』
教室までの道のりを歩きながら、マシンガンの様に話すちひろは今日も元気だった。
いつの間にドラマが決まったのか聞けば「まぁちょい役なんだけど、ね」と苦笑い気味に返されて、どう反応したらいいかわからなくなる。
だけどちひろは持ち前の明るさで「変な空気にしちゃったね!ゴメン!それでさ〜」と一瞬重くなった雰囲気を打破してくれた。