【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
教室に着けば掛けられる「おはよう」の声。
それに返しながら、席に着けば私の前に腰を降ろすちひろ。
…さて、1限は何なのだろうか?
あまり学校に来ない私にとって、時間割などあってないもの。
『ちひろ、1限何?』
机に詰め込まれた教科書を、バサバサと机の上に広げて問えば
「わかんなーいっ」
まさかの答えが返ってきた。
え?と、戸惑う私に隣の席の子が「数学だよ」教えてくれる。
「数学なんてなくなればいい」
突然くるりと勢いよく振り返ったちひろは、呟いて頬を膨らませる。
…よく授業をサボらない!と言う彼女だけれど、真面目なのはレッスンに対してらしくて、どうやら普通教科には興味がないらしい。
「ねぇ仁菜」
『何?』
「泉杏里ってさ…」
いきなりのコアな話題に、思わず持っていた教科書をバサリ、落としてしまった。
『え…?誰って言った?』
努めて冷静に切り返しながら、落とした教科書を拾う。
なんでちひろの口から彼女の話題が出てきたのだろう?