想い、果てるまで









………―――――――――




「……―――――すみません!遅れました!」



教室に入ったとたん、皆の目線が一斉にこちらに向いた。



「あー…大丈夫大丈夫。今始まったから」


団長の男の人が、優しそうに手を振った。



私たちはそそくさに用意されていた席に着く。



「えっと…じゃあ早速走順決めるから、皆自分のタイム教えてくれる?」


団長がそう指示すると、皆次々と自分のタイムを言っていく。



へー…やっぱ先輩たちはタイム早いな~



因みに私は女子選手で一番速かったらしい。


といっても、次に速い人とそう差はないが。


「次、男子!じゃあ紫波」


「はい。…えーと………確か…5秒8?」





……え?





教室内がざわつき始める。



―――それはいくらなんでも速すぎじゃない?





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