想い、果てるまで
体が風を切る。
地面を蹴りつける度に、その振動が頭に響く。
相手が、凄く遠くに感じる。
でも、越さなきゃ…。
「--っ!!」
私はスピードを一気にあげる。
2人は越した、残るは3人。
更にもう1人越す。
残りの距離はもう少ししか残っていない。
--あと……2人なのに!!
私は最後の力を振り絞った。
そして、バトンパスの直前に、1人だけ越した。
--…そんなっ…後1人なのに……!
負けたくない。
だけど、その選手は既にバトンパスをし終えている。
負けたんだ。
悔しい。
………悔しいっ!!