ティーン・ザ・ロック




「でも、悪いよ」


同じ班でも無いのに、わざわざ一緒に行って貰う訳にはいかない。


だけど。


「……学級委員だし、それに……足、くじいてるんじゃない…?」



驚いた…。


隠していた筈なのに、どうして彼は見抜いてしまうんだろう…?


「……抜けます」



彼はあたしが何か言いだす前に、自分の班の人達に断りを入れて


あたしの手を取ってゆっくりと歩き出す。



「……支えなくても大丈夫だよ。一人で歩ける」


「…酷くなって困るのは逢坂さんだよ」


「……ありがとう」




石のある所を避けてくれる優しさも、嬉しかった。



でも……気付かなかった。





あたし達の後姿を、憎しみと嫉妬が入り混じった眼で見ているその視線に。




唇を噛み締めて、血が出る程憎まれている事に。





「…ムカつく…!!」



前ばかりを見ていたあたし達は、気付く筈も無かったんだ。







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