ティーン・ザ・ロック



もう、教室がお笑い会場と化した頃、やっとの事で先生が先生らしい事をしてくれた。



「席に着けお前らーーー!!!」



鶴の一声どころか、猛獣の一声。あれだけ五月蠅い教室の隅まで、よく声が届くものだと感心してしまった。



「良いか、不純な動機はダメだ。どうしてもと言うなら、もっともらしい理由を言ってみろ」


またもや静まり返る教室。


まさか、本当に不純な動機だったわけ…?……いやいやいや。自意識過剰になってはいけない。


どうせ、からかわれているだけなのだ。


あたしには兄の様な人を惹きつける魅力は無いのだから。



もう、誰でも良いから。早く決まって欲しいよ。




…その願いが叶った事を、湧き上がる様などよめきの中で知った。



「マジ…」


「アイツが…?」



色んな方向から聞こえる幽かな声をたどった先に見つけた答え。



それは今一番気になる彼の名だった。



「杉澤か。……うん、まあお前なら不純な動機は無いだろうが…。やれるか?」



事務的に、だが、どこか倦厭している様な。



いや…扱いに困っている と言った方が良いかもしれない。



とにかく。他の生徒とは明らかに違う態度を見せる先生の声を聞きながら振り返ると



杉澤君が無言で小さく頷くのが見えた。





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