ティーン・ザ・ロック
きっと今日が、人生で一番顔を赤らめた日だろう。
それを茶化す様な、男子の『かわいー!』発言に、益々顔が上げられなくなった。
俯き、目線を教卓の木目に落としていると、誰かが肩を叩いてきた。優しく、遠慮がちに。
振り返ると、杉澤君が小さな動作で黒板を見る様にと示していた。
肩を叩いたのが彼だと言う事に若干驚いたが、今はそんな事はどうでも良い。
素直に黒板に目を向けると、そこには様々な委員会の名前が並んでいた。
「あ、他の委員会を決めるのか……」
成程。それならあたしがここに立っている理由も分かる。
まだ顔は赤いままだが…。とにかく、今は職務を全うしなければ。
「すみません。では、先ず風紀委員から……」
気持ちを切り替え、その後は時間内に全て委員を決める事が出来たのだった。
一時間目終了のチャイムが鳴り響き、担任が教室を去る。
途端に騒がしくなる教室。
あたしはというと、なんとかピンチを乗り越えられた事に安堵し、今にもへたり込みそうになっていた。
その様子を見て、紅葉が笑いながら『お疲れ』と言ってくれる。嬉しかったが、自分のせいだと言う事を忘れているだろう。
フ と前を見ると、杉澤君が席に戻るのが見えた。
そう言えば、さっき言っていない事があったな…。
紅葉に付いて来て貰おうとも思ったが、彼女は今黒板を必死に消している。
邪魔をするのは悪いし、こういう事は自分が言わなければ。
意を決して、彼の元に向かった。