私はヴァンパイアに恋をした…




「…お前の匂いが俺を狂わせる。」



「…えっ?」


突拍子のない事を言われて

マヌケな声が出てきた。



それを聞いたリナリエ君は
クスクスと笑っている。


そんなリナリエ君にちょっと
ムッとした。


「秘密ってなんですか?」


一番肝心なのはそこだ。


でもリナリエ君は

黙りこくってしまった。



そしてしばらく沈黙が続いた後

意味深な笑みを浮かべて


私にキスをした。




人生で2回目のキスは

さっきより優しくて、

さっきより激しい。



ヤダ…

なんかクラクラする…


そんな思いを巡らせていると…


いきなり舌が入ってきた。


もちろんディープキスも
初めてな私は

どうしたらいいかわからない。



苦しい…

息ができないよ…



戸惑っていると

唇が離れて自由になる。


私は肩で息をしながら
リナリエ君を見つめる。



「やっぱ美味いわ…」


その言葉さっきも…



「……あの…美味いって…?」


そう質問すると
また意味深な笑みを零す。


「知りたいか?」



知りたいに決まってる。


でもまたあの感覚が

襲ってくる。







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