ハルジオン。
ビーーーッ

靖之が力一杯クラクションを叩いた。

「やっくん!」

百合子が大きく手を振る。

「がんばれーーー!」

靖之が窓から顔を出し、満面の笑顔でそれに答える。


「待ってろ!」

達也は大声で叫んだ。

「いつか必ず帰るから!!」


ビッビビーーーッ!!

緑深まる山村の中を、祝福のクラクションが鳴り響く。

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