ハルジオン。
いったい何が起きているのか。

これは現実なのか。

頭の中が酷く歪み、四肢が痺れたように動かなくなった。

「ああ」

百合子は次第に抵抗を弱めていった。

乱れた呼吸と一緒に、短いスカートから伸びた細く白い内股が力なくくねる。

相手は分からない。

ただ、背格好からして同年代でないことだけは確かだった。

「……百合子」

激しい焦燥に駆られながら、達也はどうすればいいのか分からず立ち尽くした。

< 39 / 339 >

この作品をシェア

pagetop