涙の宝器~異空間前編
ここにきて、段々と分かってきたことがある。

女たちは酒癖が悪かった。
呑み過ぎだ。

遠慮なしに次々と注文していく。
そして、無駄にテンションが高いのだった。

「あれ?全然呑んでないじゃないですかー」

当然の事だ。
三人ともまともに泥酔したら、後で大変なことになる。
やがて同性同士の絡みが始まった。

風紀を乱すように抱き合い続ける。
変な威圧までかけてきた。

「ところで今日はもちろん先輩のおごりですよねぇ〜」

アユミが言葉の爆弾を落としてきた。
涼の眉間にシワが激しく押し寄せた。

「いや、ワリカンでしょ」
< 21 / 449 >

この作品をシェア

pagetop