涙の宝器~異空間前編
涼は正論で片付けようとした。


「マジさげー」

涼の顔が歪み始めた。
女たちは脱力感をあらわにしてきた。
それでいてケータイをちょこちょこいじり始めた。

女たちのだらしなさに嫌気がさしてきた涼。
時間は午後十時半を過ぎていた。

「二人とも明日予定あるんなら、もうこの辺で店出た方がいいよ」

「ふぁーい」

涼を誘った時の愛くるしさなどみじんもない。
三人は荷物を持って客室を出た。

足場がもたつく女たちを軽く支えて何とか会計に向かった。
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