涙の宝器~異空間前編
俺は腕で光るブレスレットを、最後の力を振り絞って後方の窓に向けて投げ放った。
窓に当たったブレスレットは、まるで結界を破るかのようにヒビを付けていく。
そんな光景を見兼ねた運転手が急いでそれを阻止した。
「バカヤロー!!!!」
運転手は俺の行動に雷を落とした。
「ごめん……なさい…」
「いいですか!?
窓が割れるとこの二台目は即破棄されるんです!!
このバスがなくなると、私はその時点であなたを見捨てて帰還することになるんです!」
どうすれば………