涙の宝器~異空間前編
「りょうううっっっっ」
ただただ涼を強く抱きしめ続けた。
「まもなく、ドアが閉まります。
乗車中の方は、速やかに降車してください」
そんな放送きかないもん。
涼のこと放さないもん。
ずっと一緒なんだもん。
ずっとずっと一緒なんだもん!!!
ベルの音が鳴り響く。
私は涼から離れない。
ベルは尚も鳴り響く。
「電車が発車できません。速やかに降車してください」
やだ。
そんな命令聞きたくない!涼と一緒にいる!!