涙の宝器~異空間前編

「りょうううっっっっ」


ただただ涼を強く抱きしめ続けた。


「まもなく、ドアが閉まります。
乗車中の方は、速やかに降車してください」




そんな放送きかないもん。
涼のこと放さないもん。
ずっと一緒なんだもん。



ずっとずっと一緒なんだもん!!!
ベルの音が鳴り響く。
私は涼から離れない。
ベルは尚も鳴り響く。


「電車が発車できません。速やかに降車してください」


やだ。
そんな命令聞きたくない!涼と一緒にいる!!
< 442 / 449 >

この作品をシェア

pagetop