しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「お母さんのバカっ。どうしてもっと早く起こしてくれなかったのよ!!」
何も悪くないお母さんに怒鳴りながら、制服に着替える。
「布団をはいでも気づかないあんたが悪いんでしょうが。あーあ、ほら、遅刻よ」
大慌てで着替えるあたしとは裏腹に、お母さんは悠々と腕組みをしてドアに寄りかかっていた。
「お母さんっ!! ゆっくり見てる暇があったら手伝ってよ」
「何を手伝えって言うのよ。その歳にもなって着替えさせてほしいわけ?」
確かに、何も手伝ってもらうものはないんだけど……。
「あ〜っ。 もう、いいよっ!!行ってきます」
「はいはーい」
呑気な母に見送られ、階段を駆け下りた。
完全に遅刻だ。
あと20分で学校に滑り込めるはずがない。
自転車でもあったら違ってたんだろうけど。
なんて。
そんな事考えてる暇があったら、全力で走れ、私。