しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
私は、コウ先輩に向かってほほ笑んでみせた。
「美羽ちゃん、レオにも言っといたから」
「え?」
「美羽ちゃんは、軽い気持ちでおまえと接してるんじゃないってさ。あいつ、何も言わなかったけど、きっとわかってると思うよ。ただ、表情を表に出さないヤツだからさ。だから、あんまへこむなよ」
コウ先輩の手が私の頭に伸びてきて、グシャグシャと乱暴に撫でられた。
せっかく解いてきた髪が、鳥の巣のようにボサボサになった。
それを手で直していると、また壮吾の蹴りがコウ先輩にとんでいた。
「いっで!!!」
「どさくさにまぎれて美羽に触れんな」
「あ〜ん。壮ちゃんのいけず〜」
「だから、おまえはキモいんだよ」
朝の通学路に、壮吾達のふざける声が響いている。
たくさんの生徒があたし達を追い越して行き、楽しい笑い声に何人かが振り向いた。
「仲直りの記念に、もう一枚いきまーす」
そう言った日和は、また私達を写真に収めた。