しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


「美羽」


カメラのシャッター音が聞こえた瞬間。


壮吾は私の名前を呼びながら、ペダルに乗せる足に力を入れていた。


私が壮吾を見上げて眉をひそめると、


「ちゃんと掴まっとけよ!!」


そう言って、自転車を急発進させた。


「えっ!! うわっ」


自転車が急に動き出したせいで、体が一瞬後ろにのけ反った。


「だから、ちゃんと掴まれって」


壮吾のウエストにきちんと腕を回しているのに、壮吾は私の手をさらに引っ張った。


グイッと腕を引っ張られて、壮吾との密着度が増す。


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