しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


落胆する私を見て、壮吾がハハっと笑った。



壮吾の家に来るのは今日で2度目。


前は壮吾が風邪で寝込んでいるときで、みんなと一緒だったし。

壮吾がうなっていたからすぐに帰ったんだけど。


今日は壮吾と密室に二人っきりだと思うと、壮吾の笑顔を、まっすぐに見れなかった。


壮吾が笑う度にドキドキして、壮吾が動くたびに、体が跳ねた。



「暑い?」


無言の私を壮吾が覗き込む。


急に心臓が高鳴ったせいで、ぐっと目を見開いた。


「なぁ……」

「な、何よ」

「おまえさ、どうしてそうやって驚いた顔で俺を見るんだよ。前にも言ったけど、俺は不審者か」


グッと、身を縮める。


壮吾はいつも“男心”がわかってないとか言うけど、壮吾だって、この“乙女心”が全然わかってないじゃない。


彼氏の家に二人っきりだなんて、誰だって緊張するでしょ?


普通に話してられるのは、きっと壮吾だけだよ。


わかってよ。

乙女心は微妙で大変なんだから。




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