しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
小さな窓を開けると、そこからも、心地よい風が流れ込んできた。
青空に浮かぶ入道雲や、細く伸びる飛行機雲が見える。
蜃気楼の向こう側に見える向日葵は、壮吾を苦しめている太陽を必死に見上げていた。
「ちょっとは涼しくなった?」
「ん〜」
唸り声に近い声で返事した壮吾。
苦笑しながらクルリと振り返る。
その時。
「おっと」
机の上に置いてあった、壮吾の学校の鞄に手が当たってしまった。
机から鞄が落ちてしまう前に、素早くキャッチした私。
よしっ。
まだ、運動神経は鈍ってない。
心の中でガッツポーズを作る。
――と。