しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


小さな窓を開けると、そこからも、心地よい風が流れ込んできた。


青空に浮かぶ入道雲や、細く伸びる飛行機雲が見える。


蜃気楼の向こう側に見える向日葵は、壮吾を苦しめている太陽を必死に見上げていた。


「ちょっとは涼しくなった?」

「ん〜」


唸り声に近い声で返事した壮吾。


苦笑しながらクルリと振り返る。


その時。


「おっと」


机の上に置いてあった、壮吾の学校の鞄に手が当たってしまった。


机から鞄が落ちてしまう前に、素早くキャッチした私。


よしっ。


まだ、運動神経は鈍ってない。


心の中でガッツポーズを作る。



――と。




< 265 / 400 >

この作品をシェア

pagetop