しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「いないよ」
俯き加減に歩いていると、突然視界に日和が現れた。
驚いた私は、目を丸めて日和に顔を向ける。
「3人とも」
「へっ?」
「あ、あのバカ兄貴は誰でもいいって感じだから、いつもたくさんの女の人を連れてたけどね。でも、彼女って呼べる人はいなかったんじゃないかな」
本当、バカ兄貴。と日和が呆れる。
「どんなに告白されてもさ、全部断ってんの」
えっ? と答える代りに眉を上げる。
声に出してしまうのが、なんだか少し恥ずかしかったから。
咲きかけのこの想いを、まだ悟られたくない。
もし知られてしまえば、ものすごい速さで開花してしまうような気がしたから。
だって、勝ち目ないし……。
「こっちからしてみれば、早く彼女を作れって感じ。そっちの方が楽だし」