しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「嫌だ!! 行きたくない」
「ダメだ」
私がどんなに足に力を入れても、レオくんの引っ張る力には勝てない。
ずるずると、教室から連れ出される。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」
誰もいない廊下に、私の声が響く。
壮吾のところになんか行きたくないよ。
壮吾に会ってしまえば、本当に終わってしまうってわかってるから。
壮吾の心を知るのが怖いから。
心のどこかで、まだ壮吾と繋がってるって思いたいから。
だから、まだこのままでいたいんだ。
終わるのは、嫌だ。
私は、レオくんの腕を振り払った。
頬を伝う涙の量が増え、目の前にレオくんがいるのに、レオくんの表情が見えない。
「……行けないよ」
「………」
「……行けない」
肩が震え、小さな声しか出せなかった。
「それじゃ、意味がなくなるだろ」
「………」
「俺があんたにすずらんを贈った意味。なくなるだろ」