しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~

泡 沫




“今から、出てこれる?”

勇気を出して送ったメール。


日和の家の前の公園に、キーキーと、ブランコの揺れる音。


レオくんと別れて、壮吾の気持ちを聞くためにここに呼び出した。


“すぐに行く”


壮吾から返ってきたメールには絵文字なんてなく、白と黒だけの画面。


壮吾が来るまでの数分間。

なかなか静まらない心臓のせいで、吐き気に襲われた。


ブランコに腰をおろし、頭を垂れる。


辺りはもう真っ暗。


公園内にある街灯の周りだけがほんのり明るくて、それ以外は、私の心のように暗かった。




ジャリ――。

来た……。


俯く視界に映ったのは、壮吾のスニーカー。


目だけを少しあげると、私服姿の壮吾が立っていて。


ごくりと息を飲み込み、

「来て、くれたんだ」


私の精一杯の声は、震えてしまった。




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