しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


途中でレオくんの声に合わせると、パッとレオくんが顔を上げた。


「この曲、この前も歌ってたよね。河原に寝転がって、小石を上に投げながらさ」


私が言うと、レオくんはまた鼻で笑った。


「ストーカーみたいに、俺をつけてたときだろ?」

「違うよっ!! あのときはたまたまだったんだよ」


大声を上げて否定した私。


「わかってるよ」


レオくんは、静かに、優しく答えた。


「この曲さ、なんだか元気が出るんだよ。沈んでる心が晴れるっつーかさ。小さい頃によく聞いてて。 まぁ、思い出の曲って言うの?染みついて離れない曲。あんだろ? ひとつくらい、そういうの」


小さい頃に聞いていた、思い出の曲。

染みついて、離れない、曲。


それって……



「お母さんが、関係してる?」


周りがあまりにも静かすぎて、自分の声がものすごく大きく聞こえた。


何てことを聞いてしまったんだろう。


またレオくんの心に傷がついてしまうかもしれないのに。


辛い過去を思い出させてしまうかもしれないのに。



だけど――。




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