しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「だけど、サルなあんたに負ける俺は、それ以下か」
「レオ、くん……」
「あんたに想われてる壮吾は幸せ者だな。んで、俺も」
「………」
「知ってるよ、母さんがいる場所。一度も行ったことはないけど。だけど、あんたと一緒なら、行く価値、あるかも」
レオくんのほほ笑みは、どうしてこんなに人の心を温かくさせるんだろう。
レオくんの言葉一言ひとことが、心にすーっと入ってきて、私を刺激するんだ。
「行くよ。たまには、なってみようかなと思う」
「何に?」
「あんたと同じ、サル並みのバカに」
「何よ、それ」
プッと吹き出すと、レオくんが柔らかくほほ笑んだ。
なる価値、大アリだよ。
サルにでも、バカにでもなればいいんだよ。
それでレオくんが思い切り笑えるようになれるんなら、一度くらい私と同じバカになればいい。
そして、夢で見たようなレオくんの笑顔になってくれたら、それだけで、サル以下のバカでよかったなって、思うから。
私、単純でしょ?