しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
家族愛
木々の葉が赤く染まって行くスピードがはやい。
汗ばむ陽気が続いていたと思えば、最近は朝晩が冷え込むようになってきた。
時間は、確実に進んでいる。
私達はまだ1年生だからのんびりしていられるけど、きっと、再来年はバタバタと進学の準備を始めているころだと思う。
壮吾も、一歩一歩前へ進んでいるみたいだ。
コウ先輩からの情報によると、壮吾は就職をするらしい。
就職困難のため、うちの学校にきている求人はものすごく少ないって、コウ先輩が言ってた。
壮吾は、知り合いの働いている建設会社に面接に行くみたい。
コウ先輩は、よく私のクラスに顔を出してくれるのに、その隣に壮吾の姿はなくて。
『けじめをつけるために、ちゃんと整理出来るまで会わない』
そう、壮吾が言っていたんだって。
ということは、まだ、気持ちの整理が出来ないんだ。って、落ち込むけど。
私の為に悩んでくれているんだし、それだけは、とても嬉しいことだ。
ドン――っ!!
突然、頭に激痛が走った。
「――ッ…」
おでこを押さえて、声にならない声をあげる。