しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


「だから、危ないって言ったのに」


身を縮めながら痛みをこらえる私の隣で、冷静な声で言ったのは私服姿のレオくん。


「嘘だっ!!絶対、嘘だっ!!!何も聞こえなかったもん」

「あんたがボーっとしてるからだろ。壮吾のことを考えるんだったら、後からにしろよ」

「――ッ!!」


レオくんはエスパーなのか。


私の心を簡単に読めちゃう。

それとも、私って、顔に出やすいタイプなの?



私達は今、レオくんの手の中にある住所を頼りに、レオくんのお母さんを訪ねている途中だ。


駅に向かって歩いてる途中で、目の前の電信柱にぶつかってしまったらしい。


とことん、ドジな私……。


私達の町から、電車に乗って、約1時間。


お母さんと離れてから一度も会いに行っていないと言っていたレオくん。


いつものようにクールなレオくんに見えるけど、どこか、足取りがぎこちなく感じた。


約、10年ぶりくらい?

緊張するに決まってる。


しかも、ただ会いに行くだけじゃない。


どうして、あの時にレオくんを一人ぼっちにして家を出て行ったのか。

それをきちんと聞くために会いに行くんだ。




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