しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
その時。
コンコン。
ドアの向こうから、ノックの音。
その後に、白衣に身を包んだ先生が病室に入ってきた。
私は椅子から立ち上がり、レオくんと一緒に頭を下げた。
「ちょっと、いいですか?」
先生に呼ばれ、レオくんと病室を後にする。
先生に連れて行かれたのは診察室。
看護師さんが2つ椅子を用意してくれて、そこに腰かけた。
先生が背もたれのある黒い椅子に腰かけると、ギシギシと椅子が鳴いた。
「吉田さんの息子さんですか?」
とても落ちいた、先生の声。
聞いているだけで、不安が掻き消された。
「はい」
「今日、驚きましたよ。吉田さんに息子さんがいたなんて。今まで知らなかったので」