しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「見学とかいいからさ、あいつんとこ行こうぜ」
今にも逃げ出したい空気の中、柊先輩は私と日和に向かいさらっと言ってのけた。
嫉妬の渦。今すぐにでも飲み込まれそうなんだけど。
「そだな」
それに同意したコウ先輩が、先生の制止を無視して教室から出てきた。
先生は教科書片手に、またか。と、完全に呆れかえっている。
「美羽ちゃん、行こう。あ、おまえはついて来んな」
コウ先輩は私の腕を引っ張ると、日和に冷たく言い放った。
「バカ兄貴。その手を離して。マジで美羽に触れないで」
今度は日和に腕をとられる。
よろけながら苦笑すると、
「おまえ、人気者だな」
と、柊先輩が笑った。
笑うとこじゃないでしょうが……。
「ところで、あいつって?」
腕を引っ張る日和に耳打ちすると、『あー、レオくんよ』と素っ気なく言った。
そう言えば、さっきからレオくんの姿が見当たらない。
「レオくんは、団体行動をとらない人なの」
「え?」
「自分の興味を持った時にしか行動しない人」