しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
――ドンっ
教室を出たところで、誰かにぶつかってしまった。
すぐに顔を上げ、『ごめん』と、謝る。
「あ、何だ、レオくん」
肩に提げる鞄をギュッと握り、笑みを向けた。
レオくんは何も言わずに、私を見下ろしている。
「バイバイ。また、明日ね」
私も、何も言わなかった。
レオくんに手を振って、廊下を走った。
レオくん。
もう少し待っててね。
あと、もう少しだけ――…
ピンポーン……
今日も、いつもと同じようにチャイムを鳴らした。
「こんばんは」
『………』
だけど、やっぱり無反応。
近所迷惑になるって言われたばかりだから、出来るだけ声を抑える。
「しつこいって思ってるかもしれませんが、また来ました。私、しつこいのが取り柄なんです」
『………』
「レオくんにも、よくウザいって言われてました。でも、私、諦めが悪いっていうか、自分に納得がいくまで、引きたくないっていうか……。自分で言うのもなんですが、少し変わった性格なんです」
どんなに声をかけても、中からの反応はないままだった。
というか……気配すら、感じられない。
留守……?
小首を傾げ、勇気を振り絞ってドアノブに手をかけた。
ゆっくり回すと、
――っ!!!!
開いた……
予想外の展開で、動きが止まる。
キーっという錆びた音が、マンションの廊下に響き渡った。
「お、おじゃまします……」
恐る恐る中を覗く。
部屋の電気はついているのに、やっぱり人の気配はなくて。
………!!!
もしかしてっ!!!
脳裏に、嫌な予感が走った。
「おばさんっ!!!」
足が震えて、うまく靴が脱げない。
手を使っても、なかなか脱げなかった。