しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


授業中の図書室には、誰もいない。


グラウンドから体育の声が聞こえてくるだけで、この部屋の中は物音ひとつしなかった。


しかも、窓から差し込む日差しで、舞い上がる埃がキラキラと光っている。とても幻想的だ。


こんなところに、本当にレオくんがいるのだろうか。


柊先輩達と一緒に、本棚の間を探す。


高校の図書室には、たくさんの本がぎっちり詰め込まれていた。


絶対に読まないであろう分厚い本まである。


ついでに、表紙の漢字が難しくて、何て書いてあるのかさえもわからない。


ゆっくりと足を進めながら、本棚の間を覗く。


すると。視界の下に、誰かのつま先が映った。

首だけ本棚から出して、さらに覗き込む。

そこには、絨毯に座り、本棚に寄り掛かって寝ているレオくんがいた。


太ももの上には、一冊の本が広げられている。



< 36 / 400 >

この作品をシェア

pagetop